「だからってお前がそこまで無理したのは、奏悟達のせいじゃないのか？」そう言う父親に心底腹が立つ。
「違うって言ってんだろ！俺は弟達が元気で楽しくいてくれるのを願ってる。」
「理由になっている気がしないけど？」父さんは少しずつ俺を挑発し始める。
「理由なんかはどうでもいい。母さんだってそうだったのを兄弟の中で一緒にいた時間が長い俺なら分かる。父さんが分かっているかは知らないけどな。」
「俺が知らない？」
「あぁ、知らないさ。毎日母さんの仏壇の前で悲しんでまともに俺らの顔を見ようとしなかったお前にはな。」
「夕紀。お前に何が分かる…愛する人を失ったこの気持ちが！」