平日の夜、奏悟の帰りが遅かった。心配している景都達を寝かせて、待っていると玄関の戸が開く音がした。急いで玄関に行くと奏悟が立っていた。
「奏悟!何時だと思ってる!」
「…」
「奏悟。聞こえてんのか?」
「うるせぇな!バイトだよ、バイト。」
「お前、バイトなんかしてんのか?」
「良いだろ?兄貴だってやってんだから。」
「それとこれとは違う。勉強はどうした。」
「だから、うるせぇ。俺の勝手だ。」そう言って奏悟は自分の部屋に入って行った。
「兄さん…」と背後で声がする。振り返ると蒼司がいた。
「どうした?蒼司。」
「奏悟兄さんどうしたの?」
「奏悟?あぁ、今は反抗したい時期なんだよ。」