母さんが死んだのは、俺が高校の卒業前の事だった…
授業中に、教師から母さんの事を聞かされると、奏悟や景都と学校を飛び出した。
病院に着き、病室へ向かう。
ガラッと扉を開けると目に飛び込んできたのは、顔に白い布をかけ横たわる母さん。呆然と立つ父さん、俺達の姿を見て泣きつく弟だった…
ただ弟の頭を撫でて何も言えない俺。静かに涙を流す奏悟と景都…
ベッドに近付いて、母さんの手を触ると俺の手の熱が母さんの手に吸い取られるのが分かった…
あぁ、母さんは死んだんだ。そう思った…