「兄さん。撫でてあげてよ。」と景都は言う。
「あぁ。」俺が撫でると気持ち良さそうに縋ってくる。
「兄さんが気に入ったみたいだね。」
俺も景都も自然と笑顔になった。
「兄さん。父さんと何があったか知らないけどさ…自分で溜め込まないでね…」
「…分かったよ。」
景都が預かった仔犬は3日後、主人の元に帰って行った。少しだけ名残惜しそうな顔をして…