「じいじがね、絵里加の入学に何かプレゼントしたいって。絵里加、傘が欲しいって言ったのよ。」

昨夜、一緒に食事をした時に 話したのだろう。

智くんも私も、気付かなかった。
 


ランドセルや制服は、学校指定の物で もう揃えてある。

傘は指定がなかったので 後でデパートに買いに行こうと 絵里加に話していた。


絵里加は、自分の持ち物を ちゃんと把握し 贈りたい父の気持ちも 尊重していた。


「絵里ちゃん、偉いね。傘は まだ買っていないものね。じいじに頂いて 大切に使いましょうね。」


私は、絵里加の気持ちが 嬉しかった。