「でも、近くに住めて 本当に良かったです。すごく楽しくて。」

お姉様が、笑顔で私の方を見る。
 

「なんだか、3人で しょっちゅうデパートに行っているらしいですよ。ランチとか言って。こっちは、ざるそば食べているっていうのに。」お兄様が言うと、
 
「しょっちゅうじゃないわよ。たまに、よね。」お母様が、私達に同意を求める。
 

「これからは、内緒で行きますか。あ でも 麻有ちゃんは なんでも智之さんに話すからなあ。」お姉様が笑う。
 

「大丈夫。俺が兄貴に、黙っていてあげるから。」智くんも笑う。
 


こういう時間が大好きで。


心が温かくなって、幸せで。



多分、みんなも。豊かだから。


でも、それだけじゃない。



みんながお互いを尊重して、理解しようと思っているから。


お互いの為に、できる事を考えて。



そして、一緒にいればいるほど、みんなを好きになる。
 

私の父や母、妹も。

私の幸せに安心し、そのためにできる事をしてくれる。

それは 義務感だけではなく その輪に入ることが 楽しいから。


やっぱり、心が温かくなるから。
 



智くんと出会えなかったら この幸せは なかった。

両親や妹に対する感謝も。


そして絵里加と壮馬にも、出会えなかった。


愛おしさの塊のような、この子達に。



すべては、智くんだから。私の幸せのすべては。