「しかも今回は、私達まで旅行に誘ってもらって。本当に、嬉しくて。」母が言う。
 
「ママ、すごくはしゃいでいたのよ。私も超楽しみだけど。」と妹が言う。
 
「それはそうよ。ハワイよ。夢みたいじゃない。こういう機会がないと、行かれないもの。」

母は、真剣に言う。
 
「お兄様が、本当の豪邸を、一軒 借りてくれたの。すごく素敵よ。ゆっくりするし、楽しいわよ。きっと。」私は言う。
 

「わあ、楽しみ。絵里ちゃん、壮君、いっぱい遊ぼうね。」

妹は、子供達の頭を撫でながら、言う。
 


私の家族の喜ぶ姿に 智くんは、満ち足りた笑顔になる。


父も母も、何も心配していない姿に。


私の顔を見れば、わかるはず。私が幸せな事を。


そして、智くんと子供達を見れば 私が幸せに甘んじていないことも わかってくれるはず。



私の両親だから。