家の中に入ると夕食の準備が始まっていた
瞳は目をキョロキョロさせている
可愛い…

「洸さん…たくさん人がいますね
みんな家族の人ですか⁇」

俺はどう伝えていいのかわからなかった
その時

「そうだよ
みんな家族だよ」

と徹が言った

後ろを見た瞳が

「こんにちは大貫さん」

「こんにちは瞳ちゃん
瞳ちゃんこれからは徹って呼んで!」

「徹⁇こんにちは徹さん」

「そう!こんにちは瞳ちゃん」

こらこら徹…調子に乗りやがって…

「洸さんって家族の人がたくさん
いるんですね」

俺はとっさに

「これからは瞳も家族だよ」

と言った

「私も家族ですか…」

瞳は急に切ない顔になった…

「どうしたの⁇」

「痛い事しないですか⁇」

「瞳…」

胸が締め付けられた

俺は瞳を抱きしめて

「痛い事はしないよ
ここの家族はみんな優しいから」

泣きそうだった…

「みんな優しい人⁇
痛い事しない人⁇」

「そうだよ
みんな優しい人だよ」

瞳にとって家族とは…
どんなに辛かったんだろう
痛みに耐えながら…

「みんな優しい人…みんな優しい人」

「そうだよ…そうだよ」

俺は瞳の髪を撫でていた