でも、困る質問をされ口ごもりそうになるととフラツ夫人がさり気なく助言をしてくれたし、メラニーとレオナが良いタイミングで新しいお茶とお菓子を運び、皆を満足させてくれた。
しばらくしてから私は立ち上がり、皆に聞こえるようにしっかりと声を出した。
「皆さん、ここは薔薇の庭園の名の通り、美しい薔薇が咲き誇っています。せっかくですから楽しみましょう」
皆は面倒そうにする様子もなく私に倣って席を立ち、池のほとりに向かう。
薔薇の庭園は貴族と言えど訪れる機会が少ないので興味があるはずとフランツ夫人が言っていた通りだ。
ただ、エルマとユリアーネは立ち上がりはしたものの、移動する気配がない。
ふたりはまるで私の進路を塞ぐように立ち尽くしていた。
何か文句でも言って来るのかな?
身構えていると、お茶会が始まって以来ずっと私の側で控えていたフランツ夫人が、とても穏やかな声でふたりに話しかけた。
「ベルヴァルト公爵夫人、いかがなさいましたか?」
「フランツ子爵夫人、久しぶりですね。王妃付きになったとは知りませんでした」
エルマはフランツ夫人をちらりと見遣り言う。顔見知りのようだけれどフランツ夫人の身分が下だからかとても冷たい態度だ。会話を続けることもなく、直ぐに私に向きなおった。
「薔薇を見に行く前に、アリーセに話があります。」
輿入れ前と変わらない偉そうな口調。私に対する態度を変える気はないみたい。
しばらくしてから私は立ち上がり、皆に聞こえるようにしっかりと声を出した。
「皆さん、ここは薔薇の庭園の名の通り、美しい薔薇が咲き誇っています。せっかくですから楽しみましょう」
皆は面倒そうにする様子もなく私に倣って席を立ち、池のほとりに向かう。
薔薇の庭園は貴族と言えど訪れる機会が少ないので興味があるはずとフランツ夫人が言っていた通りだ。
ただ、エルマとユリアーネは立ち上がりはしたものの、移動する気配がない。
ふたりはまるで私の進路を塞ぐように立ち尽くしていた。
何か文句でも言って来るのかな?
身構えていると、お茶会が始まって以来ずっと私の側で控えていたフランツ夫人が、とても穏やかな声でふたりに話しかけた。
「ベルヴァルト公爵夫人、いかがなさいましたか?」
「フランツ子爵夫人、久しぶりですね。王妃付きになったとは知りませんでした」
エルマはフランツ夫人をちらりと見遣り言う。顔見知りのようだけれどフランツ夫人の身分が下だからかとても冷たい態度だ。会話を続けることもなく、直ぐに私に向きなおった。
「薔薇を見に行く前に、アリーセに話があります。」
輿入れ前と変わらない偉そうな口調。私に対する態度を変える気はないみたい。


