虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない

確かにユリアーネは美人で、沢山の教師の元毎日勉強をしていた。だから努力家と言えるだろうし、貴族令嬢の鏡なのかもしれない。

でも健気って感じではない。高飛車だし我儘だし性格が良いとは思えない。

どうやら他人から見たユリアーネと、私の認識にはかなり違いがあるようだ。

「それで、私はどんな風に関わっているの?」

「……ユリアーネ嬢にきつく当たる厳しい姉だと」

「ええっ?」

小心者のアリーセがそんなことできる訳ないじゃない。中身が私になってからは殆ど関わっていないのだし。

「ユリアーネ嬢の母の身分が低いのを見下して酷い態度を取っていると、言われています」

「それ、逆ですから」

どう考えても見下されているのはアリーセの方。

「私も王妃様を間近で見て、そのような方ではないと分かっています」

フランツ子爵夫人が信じてくれるのは良かったけど、殆どの人は分かってくれないんだろうな。

夜会で皆が冷たかったのは公爵に疎まれているからではなく、性格が悪い娘だから嫌悪されていたのかな?

私はがくりと項垂れた。これは誤解を解くのに時間がかかりそうだ。