虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない

呆れたように言われ、私は眉をひそめた。

「猫被っていたのは、お互い様でしょう?」

「お互い様だって言うなら俺のことも話すなよ?」

「もちろん。口は固い方だから安心して」

勘だけど、ロウには素を出して平気だと思った。

それに元の世界で読んだ小説の中で彼は登場しない。

つまりそれ程重要ではないポジションで今後への影響は少ないと予想出来る。秘密を持っているのはお互い様だしランセルたちに比べれば、各段に気楽な相手だ。

「まあ……外の世界を知りたい気持ちは分らなくもないけどな」

ロウがしみじみとした様子で言った。

「どうしたの?」

「町の様子を知りたいんだろ? あとで俺が案内してやるよ」

「え、本当に? でも大丈夫なの?」

私としては本当にありがたい申し出だけど、ロウにだって都合があるんじゃないの?

「気にするな。巻き込んだお詫びだ」

「そう。それならお願いしようかな」

自分で歩いて回って確認するよりも、聞いた方が効率が良さそうだ。

料理は思ったよりも早く出てきた。

鉄板のついたお皿の上で、焼きたての肉がジュージューと湯気を上げ、独特の香りが辺りに漂う。

肉には赤褐色のソースがかかっていて、数種類の野菜が添えられていた。

もうひとつの皿には、白いものが山のように盛られている。これって……。

「もしかして、お米?」

思わず声に出すと、ロウとガーランドさんが揃って私に目を向けた。