「え?出張?」 「そうそう、明日から。悪いね、急で」 火曜日の夜。 たまたま同じくらいに仕事が終わり、夕飯の材料を一緒に買おうとスーパーに寄った。 私が買い物カートを押していると葛城くんはサラッと出張のことを打ち明けた。 「どこ行くの?」 「大阪かな。なんか、欲しいのあれば買ってくるけど」 「えー、たこ焼きでしょー、チーズケーキに豚まん。あー、考えただけでヨダレが……」 「ほんっと、食い意地張ってるね?」 「うっさい」