「玉井さん」



その声は昨日最後に聞いた声にそっくりで。


後ろを振り向くと、そこにはスーツ姿の葛城くんがいた。



「葛城くん⁈」



周りに並んでいた人も、あまりの声の大きさに驚いてこちらに視線が集中する。



「なっ、なんでここに……」



とりあえず私は、並んでた列を外れ、エントランスの端まで葛城くんのスーツの袖を引っ張った。