「湖宵はすぐに理解できるし、分かった時の顔がとても可愛いから寧ろ癒されるんだけどな」

「そんなこと言ったって騙されないよ!ご飯食べたら、志緒はお風呂入って、早く寝てね」



真剣な表情で伝えたのに、志緒は「疲れてないから大丈夫だよ」と困ったように笑った。


最近、彼はよくこの笑い方をする。

私が志緒の力になるために勉強したいと言ったときも、志緒のことを心配して声を掛けた今も。


私が志緒のためにと思っていることが伝わっていないのだろうか。……もしかしてただのお節介?


そんなことが頭の片隅を過ったけれど、どう考えても志緒に今1番必要なものは休養だ。本人が休む気がなくても。

できれば何も考えずに脳まで休んでほしいくらい。