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湖宵(こよい)ちゃんは可愛いね」

志緒(しお)くんはかっこいいね」



合言葉のように顔を見合わせては鏡合わせのような台詞を呟く。それは魔法のように優しくて心がぽかぽかする言葉。



「ぼくは湖宵ちゃんを守る王子様になるね」

「じゃあもっとかっこよくなるんだね!」

「だから湖宵ちゃんはぼくだけのものでいてね」

「わたしは志緒くんのもの?」

「だめ?」

「ううん、だめじゃないよ」

「じゃあ約束」

「うん、約束」



小さな小指を絡ませて、2人だけの小さな約束を交わす。


お互いに叶うと信じて止まない夢物語を、2人だけの特別にして、大切な宝箱にしまうように。


繋いだ小指から伝わる高めの体温が混ざって、馴染んで、心までぽかぽか温かくして。


夢のような、魔法のような、時間の中で小さな2人は小さな世界で大きな幸せを抱えていた。



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