午後6時ぐらいになると
校内放送が流れる。

〈〜校内に残っている生徒は
そろそろ帰宅してください〜〉

わたしは、目の前で
ぐっすり寝ている凛堂くんを見て

「凛堂くん、もう6時になったよ??」

「んっ…」

眠たそうに目をこすりながら
凛堂くんは目を覚ました。


そして靴箱で、

「じゃあね、凛堂くん」

と言って帰ろうとしたら

「いや、送る」

「えっ、わるいよ!!」

「いいの、いいの
詩乃に何かあってからは遅いし
あと、へんな虫がつかないように」

「何もないと思うよ?」

虫?春だからかな?
まぁいいや。