そう言われたらどっちにしていいかわからないじゃないか。
…う、嬉しけど……



「どっちかっていうと?」



どうしても答えを聞きたくて聞いてみると



「んー…。もう少し髪長い花莉も見てみたいかも」



私の髪を指に巻きつけて遊びながら答えてくれた。



「じゃあショートヘアにしてくる!詩優と同じくらいの長さの!」



わざと反対のことを言ったら、



“ピンポーン”
とチャイムが部屋に鳴り響いた。







リビングの時計を見ると、今は10時を過ぎたところ。
京子と明日葉が迎えに来てくれる時間。




急いで立ち上がると、髪で遊んでいた詩優の手がするりと離れて。




たたたっ
と走って玄関のモニターの前まで行くと、そこには京子と明日葉がうつっていた。




通話ボタンを押して、「今行くね!」と言ってからテーブルの上に置いておいたショルダーバッグをもって。




「髪の毛ピンクに染めてくる!」



と詩優に言ってから靴を履いて、すぐに玄関を出た。