智くんにはじめて会ったのは 小学校1年生の夏休みだった。 あの夏、智くんに出会うまで 私は毎日ひどくさびしい思いをしていた。 3才年下の妹を保育園に送ると 母は家事を片付け 忙しい父の仕事を手伝っていた。 私は両親の目の届く場所で、一人 おとなしく遊んで過ごした。 小学生になって初めての夏休みなのに特別レジャーの予定もなく。 街はたくさんの観光客で騒然と浮かれているのに、私のまわりはいつもと変わらない日常が続いている。 幼い私はそのギャップに納得のいかない思いを抱いていた。