甘く、熱い夜だった。

ふれあうことで愛しさが増し、その愛しさが歓びを呼ぶ。

全てを解き放ち 歓びを伝えることが、次の歓びを作る。

心も体も一つになり、かすかな叫びと共に 大きな波に飲み込まれていく。

そして私達は いつしか眠りに落ちていた。
 



智くんに すっぽりと抱かれて眠っていた私は 優しく髪をすく感触に目を覚ます。 
 
「私、寝ちゃった。智くん、ずっと起きていたの?」

智くんを見つめながら聞く。
 
「さっきね。すごくよく寝て、目が覚めたら まだ夜だった。」

少し気怠げに笑う。

私は甘えるように、智くんの胸に顔を埋める。
 


「麻有ちゃん、愛しているよ。」



私を より強く抱きしめながら 智くんは言う。
 

「俺の心の中、麻有ちゃんで いっぱいだよ。胸を開いて見せたいくらいだよ。」

智くんの言葉に 私は心も体も熱くなる。
 
「私も。智くんを愛している。智くんと一緒なら、無人島でも生きていける。」
 
「麻有ちゃん、もう離さないよ。」
 

私達は、お互いの愛の言葉で 体が熱くなっていく。

激しく口づけを繰り返し 智くんの唇が私の胸を捉える頃には、私は恥ずかしいくらい 智くんを迎える準備ができていた。