「お腹すいている?」と聞く。
「ペコペコ。すぐに食べたいな。」と言ってくれた。
ご飯とお味噌汁を用意して、私達はささやかな夕食を始めた。
「すごく美味しいよ、最高。」
いつものように、優しい会話と温かい空気の穏やかな食事の時間。
智くんは、何度も美味しいと言って食べてくれた。
「食器、下げちゃうね。コーヒー入れるから。」
私が動きだすと 智くんも一緒に食器洗いを手伝ってくれる。
「新婚夫婦みたいだね。」
と流し台の後ろから 私を抱きしめて。
幸せがあふれて私を満たしていく。
この幸せを知らない頃には もう戻れない。