私達の様子を見ていた彼の上司が
 
「なんだ。廣澤、知り合い?」と聞いた。
 
「はい。幼馴染です。」彼の言葉に、顔を上げると 温かい笑顔で受け止めてくれた。
 

一時間足らずで打合せが終わり、帰り際 智くんは名刺に携帯番号を書いてくれた。

私も同じ様に自分の携帯番号を書いた名刺を渡す。
 

「今度、ゆっくり食事でもしよう。」
 
「はい、是非。」


私は動揺が鎮まらないまま 仕事に戻った。