『智くんのお父様、お母様。
 
私を家族にして下さって、ありがとうございます。
 
智くんと初めて会った夏の日に 優しく声をかけて下さったお母様。

あの日から、お母様は 私の憧れでした。

お母様は、いつでも私に 優しい笑顔で 接して下さいました。
 
別荘の庭で転んだ私の膝に 絆創膏を貼って下さったお母様の 温かい手のぬくもりを今でも覚えています。
 
私も、いつかお母様のように 回りを優しく包み込んで 智くんが 安心して暮らせる家庭を作りたいと思います。

お父様。ただ智くんが選んだ、というだけの私を信じて 温かく見守って頂きありがとうございます。
 
いつも 本当の娘のように気に掛けて 優しく明るく 私の話しを聞いて下さいます。

お父様の温かい心に 私は、安心して甘えてしまっています。
 
お父様やお母様と一緒に過ごす時間は、楽しくて 温かくて。

私は、大好きです。
 

こらからの長い道を 智くんと力を合わせて お父様とお母様のような 素敵な夫婦になりたいと思います。
 
まだまだ未熟で 頼ってばかりの私ですが お父様とお母様の愛情を 引継いでいけるように努力します。
 
どうか、これからもよろしくお願い致します。 麻有子』
 



智くんは、涙で何度も声を詰まらせながら 私の手紙を読んでくれた。



お父様は、じっと俯いている。

お母様は、何度もハンカチで涙を押さえる。



私の父と母も、もう涙を流していて。