「智くん。私を探しに 軽井沢に来てくれた?」

思い切って聞いてみる。
 


「うーん、多分 行かないな。俺、自分に自信が無かったから。麻有ちゃんが、俺を思っていてくれるなんて 信じられなかったし。」


智くんは、誠実に答えてくれる。
 


「そうだね。私も。ずっと智くんへの思いを隠したまま、全然違う人生を 生きていたと思う。」
 


「こんなに愛し合っているのにねえ。」

智くんは 笑いながら言う。
 


「こんな幸せがある事、知らなければ 生きていけるのかな。」
 
「でも、いつか必ず 出会っていたよ。俺達は 運命の二人だからね。」
 
「うん。どんなに 回り道してもね。」
 
「早く出会えて 良かった。」



智くんの瞳は、優しい愛しさで溢れていた。
 


「本当。一日も 無駄にしたくないね。」
 

「もう絶対、離さないよ。麻有ちゃん。」
 

「私も。絶対、離れない。」

温かな食事は 二人を熱い思いにしていた。
 


サプライズの好きな智くんは、この日もレストランに 特別なデザートをお願いしていた。


私達は、小さなホールケーキに 二人で入刀することができた。



そして、その二人の写真を撮ってもらった。