小さいころ、思っていた。 大人になれば、 あの白いもくもくとした雲に、照り付ける太陽に、 夜空に輝く星に、真ん丸綺麗な月に 手が届くんじゃないかって。 それは私の中での小さな夢でもあった。 それなのに、気づいてしまった。 いくら大きくなったって、その夢はかなわないということに。 空に手が届くどころか、ちょっぴり高いところにあるものでさえ手が届かない。 わたしはこのときから、夢も希望も失った。