「わ〜!夏目くんユニフォームめっちゃ似合う〜絵になるな〜、ね、菜花」

「え、あ、うん」

どうしてこうなってしまったんだろうか。

学校から徒歩数十分のところにあるカフェ。

あれからあっという間に今日という日がやってきた。

私は光莉、雪ちゃんたちと共に、あの夏目くんのバイト先とやらに来ている。

どうにかして帰ろうとしたのに、光莉に

「帰宅部ひとりにしないで」
「絶対話についていけないから」

とせがまれて。

今に至る。

「へー!百合ちゃんセッターか!私もセッターだったんだよ」

「えー!そうなんですか!」

通路を挟んだ隣の席では、バレー部3人と店長の沖田さんが盛り上がってる。

うん。

やはり、光莉が言う通りついていけない専門用語が飛び交っていてなにがなんだかさっぱりだ。

テレビで世界バレーの試合を見ることはあっても、ポジションとか細かいルールのことはわからないし。

「ね、これで私ひとりだったと思ったら場違い過ぎて泣くよ」

「ハハッ、ごめんごめん」

パフェをつつきながら口を尖らせる光莉に謝る。