「おい〜まじでどこだよ〜」

「ハハッ頑張れ〜!」

「……っ、」

早く、お願いだから、ここから出てっ!!

向こう側にいる彼らにそう念を送るけどなかなか出て行く気配がない。

その間にも、夏目くんのキスはどんどんひどくなる。

拳で何度も彼の肩を叩いて止めて欲しいと訴えれば、


唇を離した夏目くんが、意地悪な笑みを浮かべながら口に再度人差し指を当てて『静かに』のポーズをする。

こ、こいつっ!!

『大人しくしてないとバレちゃうよ』
そう言われてるみたいで。

これでもかというぐらい睨みつければ、今度は耳に彼の吐息がかかってそこに唇が触れる。

「……っ、や」

思わず漏れてしまった声。

慌てて自分の口元を手で塞ぐ。

最悪だ。

「ん?今何から聞こえた?」

っ、どうしようっ!バレた?!

「何も聞こえねーから。どこだよ俺のスマホ!」

「あーわかったよ、第二のヒント!校長先生!!」

「はぁ?ったく、演台かよ!」

「自分の目で確かめな!」

「クソが!」

ふたりはそんなやりとりをしながら、パタパタと走って更衣室を後にした。