ち、近い……。
一人用のシャワー室に、夏目くんとふたりきり。
生徒にバレないようにふたりで息を潜める。
チラッと夏目くんを見上げれば、余裕な顔で自分の口元に人差し指を当てて『シー』のポーズをした。
その表情が妙に色っぽくてちょっとムカつく。
なんでこんな時にもヘラヘラしてるのよ。
ていうかこの人たちは何しにきたわけ?
「おい岡本〜!俺のスマホどこに隠したんだよ〜」
「誰も更衣室なんて言ってねーよ。ヒントは体育館って言っただけ」
「お前な〜!!」
うわ、もしかして友達のスマホ隠す遊びをしてるとかそんなところ?
まったく……。
トントン
カーテンの向こうにいるふたりの会話に聞き耳を立てていると、夏目くんに肩を叩かれて視線をふたたび上にあげた。
へっ……。
ゆっくりと夏目くんの顔がこちらに近づいてきて。
ん?
ちょ。
ちょっと、まって。
普段なら声を出して制御できるところ。
それなのに、今は声が出せない。
どうしよう。
こんなの……。
とっさに顔を下に向けて見せないようにしていたのに、夏目くんの長い指が私の顎に添えられて。
無理やり視線を合わされてから。
「……っ、」
熱い唇が触れた。
あ、ありえないんだけど!!
なんでこんな危ない時に!!



