「友達の前だと大人しい感じを装っているのに。俺と一対一になった途端口調荒くなるし。猫被ってるの一緒だね」
「……っ、いや、私はあれが普通だから!こうなるのは夏目くんがイラつかせるからでしょ。っていうかまたこんなところに連れてきてなんのつもりなの」
「まぁまぁ、そんなにイライラしないでよ」
夏目くんはそういうと私の手をグイッと引っ張って距離を詰めてきた。
「ちょっ……やめ、」
「プールだったんだね」
「えっ、うん」
耳に夏目くんの吐息がかかって一気に身体が熱くなる。
夏目くんのこういうところが本当に嫌いだ。
「髪、まだちょっと濡れてる」
「っ、だから何」
「エロいなって」
「っ、」
バチっと視線が絡んでとっさにさらす。
またこうやって変な空気にしようとして。
さっさとここから逃げないとまた好き放題されてしまう。
帰らなきゃ、そう思って身体を背けようとするのに、私の手首を掴んだその手はなかなか手強い。



