最悪だ……最悪すぎるよ。
絶対逃げるなよ、なんて念が伝わってくる手首に伝わる彼の力の強さ。
そして温度。
夏目くんってほんと体温高いんだな。
手が熱い。
って、夏目くんの体温なんてどうでも良くて。
「あの……夏目くん、」
「……」
てっきり外に出るんだと思っていたのに、その足は昇降口とは別の、体育館へと繋がる渡り廊下を歩いていた。
なんでこんなところに……。
てか人が呼んでるのに無視だし。
連れ出しといてそんな態度なんてますます感じ悪い。
「夏目くんっ!手離してよ」
「嫌だ。そしたら郁田さん逃げるじゃん」
「っ、当たり前でしょ!」
「だから離さないよ」
ムッかつくー!
腹立つことを穏やかな声で言うからそれがさらにイライラするんだ。



