「先生に用事?それならまだ帰ってきてないみたいだから向こうで待ってたら?」

そう言って、カーテンに目を向ける。

私がすでに利用してるこの空間から夏目くんが動こうとしないのか不思議でしょうがない。

まるで、この“ベッド”に“用事”があるみたいな。

は!もしかして……。
いや、でもそんなまさか。

いつも爽やかオーラ全開の夏目くんに限っていくらなんでもそんなことはないだろう。

でも……。

ビビッときてしまった。
女の勘というやつかもしれない。

夏目くんのなんだかソワソワしている様子。

いやいやいや、まさか、先生と生徒がデキているなんて漫画や映画の世界の話……。

だけど一応確認……。
事実だとして、答えてくれるかどうかもわかんないし。

「あの、もしかしてだけど、夏目くんと優木先生って……」

「まさか、違うよ」

私が聞きたいことを聞く前から全部わかってたみたいにそう答えた夏目くん。

あまりにも反応が早すぎて、逆にちょっと疑ってしまいそうになる。

夏目くんレベルの顔面だと、大人の先生だってほっとけないんじゃないかって。