それからアイスを持っている手を突然掴まれて。
──熱い、夏目くんの手。
「ちょ、何よ───」
とっさに顔を上げて対抗しようとした瞬間。
フワッとアイスとは別の、爽やかな香りが鼻をかすめて。
一瞬だった。
視界は目をつぶった夏目くんの顔でいっぱいで。
唇には生暖かい何かが触れて、ほんのりイチゴの香りがして。
一体……これは……。
「……んっ!!」
何が起こってるのかわからないまま固まっていれば、唇がさらに奪われて。
ようやく、何が起こってるのかわかった時には、後ろに回った彼の手によって頭が固定されて、
うまく逃げられない。
「……っ!?」
このまま、まるで口の中までも全部、夏目くんに支配されちゃいそうな。
熱い。
酸素が足りなくなって脳が回らないような。
さっきまでアイスを食べて冷えていたはずなのに。
温かくなったキャラメル味の中に、かすかにイチゴの風味がして、
こんなの……知らない。
息ができない。
やめさせなきゃ。
力じゃ全然敵わないけれど───。



