「あの、夏目くん話聞いてた?」
ついアイスに心持っていかれてた私が言えるセリフでないことは重々承知だけれど。
それとこれとは別問題だ。
多分。
さっさと『わかった。もう郁田さんには近付かないから』って言ってよ。
「アイスに妬けるな〜」
「はい?」
すぐ話を逸らしておかしな方向へと持っていこうとするんだから。
「話そらさないで!約束して!私にはもう金輪際近づかないって!わかった?返事!」
そう言ってまた一口アイスをかじる。
今ならこのアイスに免じて許してあげるから、ちゃんと約束して欲しい。
キッとしっかりと彼の瞳を捉えれば、夏目くんはシュンと目を伏せた。
「俺と郁田さんの仲じゃん。そんなこと言わないでよ」
「いや私と夏目くんの間には何もないから!」
ハッキリと、少々荒い声色で叫べば、「へー」と今まで彼の口から聞いたことないような低い声が響いた。



