目の前の夏目くんにムカつきながらアイスを袋から取り出す。
バニラアイスに生キャラメルのソースが層になってかかったそれは、
さっきまで持ってた彼の手の熱でほんの少し表面が溶けている。
それでも……美味しいに違いない組み合わせにゴクンと唾を飲み込んで。
一口ぱくっとかじれば、さっぱりしたバニラアイスと甘ったるいキャラメルの風味が口いっぱいに広がった。
ん〜〜!!うまっ!!
たかが自販機のアイス、侮るなかれ。
6月中旬。ジメジメとした暑さと授業終わりの疲れた身体に沁みる。
「食べ物にはそんな可愛い顔できるのにね〜」
「えっ……」
嫌いな声がして目線を向ければ、何やら不服そうに夏目くんがこちらを見ている。
うっ、アイスのあまりの美味しさに存在を忘れかけていた。
そもそもこのアイス持ってきたのは夏目くんなのに。
っていうか、何さっきのセリフ。
『食べ物にはそんな可愛い顔できるのにね〜』とは。



