「……いや、そういう気分じゃないから。ていうか呼び出されててアイス買う余裕ある?!普通?!」
「んー郁田さんの普通はわからないけど。放課後にアイス買うのは朝起きた時から決めてたから。そっちの方が優先でしょ。郁田さんの方があと」
「っ、なにそれ」
言い返せない自分にも嫌になる。
夏目くんの言うことはいちいち的を得ている気がするから。
「でもこれ食べないと溶けちゃうよ。もったいない」
「夏目くんが勝手に買ってきたんでしょ!責任持って全部食べなよ」
「けど、二本も一気に食べたら絶対お腹壊しそう」
いや知らないよ。夏目くんのお腹のことなんて。
でも……。
『もったいない』
そう言われたら、申し訳ないじゃん。
食べ物は粗末にしちゃいけないし。
「はぁ……わかった。もったいないから食べるよ」
これっぽっちも夏目くんのためじゃないけれど、私の選択がいちいちそうしてるみたいで気分が悪い。
でも、食べ物に罪はないから。



