保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。


そんなこと絶対あるわけないのに。

けど、そう勘違いさせてしまう行動を、俺は絶対に取っていて。その自覚は充分ある。

だけど……。

「好きに決まってるでしょ。郁田さんが思ってるよりも俺はすっごく、郁田さんのこと──」

「じゃあ、なんでっ───」

やっと顔を上げた郁田さんが、目に涙を溜めながら真っ赤な顔をしてこっちを見た。

「なんで……キ、キスしてくれないの、」

「……えっ、」

そんなこと彼女の口から直接指摘されるなんて思っても見なかった。

いや、口にさせてしまうぐらい、悩ませていたのかもしれない。

まさか。どうしよう。

なんて言えば、彼女に幻滅されないで済むだろうか。

変わってない、と思われたくない。

「……えっと、」

今ここで、指先一つでも触れてしまったら。
止められない自信しかない。

けど、今、大好きな彼女に、キスをねだられているのか、と思うと、内心だいぶ浮かれてる自分がいるのもほんとで。

でも、キスなんかで止められる自信がないよ。

守れなくなっちゃうかもしれないよ。