「郁田さんからたくさんもらったから、今度は俺がっていうわけでもなくて。その……それもちょっと違くて。違くはないんだけど……」

引かれるかも、嫌がられるかも、本当に最後になってしまうかも。

今はもう、そんな気持ちよりもうんと、伝えたいって気持ちが大きいんだ。

赤く染まったままの頬と、汚れたものを知らない綺麗な瞳。

その瞳が俺を見て離さない。

もう絶対、失いたくないよ。

「本当は、ただ俺が郁田さんとずっと一緒にいたいから。一番近くで、郁田さんの笑った顔が見たいし、俺が笑わせたいから」

「……っ、」

「すっごく、好きなんだ。郁田さんのこと。ずっと郁田さんのことばっかり考えてる。誰にもあげたくない」

声が震えていないか、カッコ悪くないか気になりながらも、まっすぐそういえば、

彼女の瞳がみるみるうちに潤って。

「あの、だから、……郁田菜花さん。俺と付き合ってほしいです」

「……っ、」

「ちゃんと俺のこと好きになってもらうように頑張るから、だから」