『明日、ゆりえさんのところに行くよ』

連絡をくれた月子と一緒に、昔過ごした施設の一番近くの病院へ朝早くに向かった。

郁田さんが俺にメッセージをくれたのは8時頃。俺が家をとっくに出たあと。

まさか、郁田さんの方からメッセージをもらえる日が来るなんて思っていなかったわけで。

スマホを忘れたことを駅で気付いたけど、正直、そんなことどうでもいいと思えるくらいには、頭の中ゆりえさんのことでいっぱいだった。

生きてて欲しい、無事であって欲しい。
そう何度も願って。

手術は無事に成功して、あとは本人の意識が戻るまで。

それまではほんと気が気じゃなくて。

そして、手術が終わって2日。
ゆりえさんはやっと目を覚ましてくれたんだ。

「ホッとした気持ちで家に帰った時には、倒れるように寝てしまって。ほんとごめん……」

「夏目くんが謝ることなにもないからっ!たしかに、返事来ない間はずっとモヤモヤしていたけど……でも、私に知らないこんなにおっきな事情があったんだって知ったら、今、夏目くんとこうやって話せてるだけでもう十分というか……」

そんなことを言いながら頬を赤く染めていく郁田さんが可愛すぎて。

ほんとずるい。

そんな顔されたら、期待してしまいそうになる。