「だから、今の涼々ほんと毎日死にそうな顔してるから早くどうにかしてほしいのよ」

「……し、死にそう?」

「うん。ちょうど菜花ちゃんたちが修学旅行に行ってる間に、施設から連絡があってね。当時私たちのお世話をしてくれていた“ゆりえさん”って人が事故に遭って緊急手術することになったって。容態もすごく危ない状態だって聞かされて」

「えっ……事故……」

連絡が来た時は私も気が動転してて、身体が震えた。

「涼々には、修学旅行が終わり次第連絡してほしいってメッセージを送ったの。せっかくの修学旅行、不安な気持ちのまま過ごして欲しくなくて」

「そうだったんですか。だからふたりが同じ駅に……」

「そうなの。ゆりえさんに会いにふたりで病院に行ったのよ。寝泊まりは前にいた施設を貸してもらって、ちゃんと部屋も別。帰りは涼々が荷物持ってくれてうちまで送ってくれただけで。やましいことはなにもないよ」

そう言えば、「なんだ……」と肩の力を抜いた菜花ちゃんをみて、

私も同じようにホッとする。
やっぱりそこがいちばん気になっていたよね。誤解が解けてよかった。