「あんなの気にしちゃダメだよ、菜花!」
「そうそう!絶対おかしいよ!たしかに天井先輩とのことは聞いたことあるけど、それは前のことだし。今の夏目くんは明らかに、菜花のこと気に入ってたじゃん!」
「うんうん!絶っっ対!何かの間違いだね!噂流した人の見間違いでしょ!」
「私だって、聞いたもん。天井先輩には他に好きな人が───」
「みんなごめんっ!!」
私のことを励ますかのように必死に話すみんなの声を、遮った。
「えっ……」
「……その、色々ありがとう。でも、私は、大丈夫だから。夏目くんと先輩に関わりがあることも知ってたし。噂かもしれないけど、本当だって言われても納得だよ」
もう、頭で考える時間なんてなかった。
いや、考えたくなかった。
周りの音がいつもよりうるさく感じて。
パンクしちゃいそう。
何が起きてるのか全然分からなくて。
そもそも、今まで私と夏目くんが過ごしていた世界の方が、夢だったんじゃないかって。
夏目くんのことは、好きになっちゃいけなかったんだ。



