「ふたりってなんなの?付き合ってないんだよね?もしかして郁田、夏目になんか脅されたりとかしてんの」
「ま、まさかっ!」
ブンブンと首を横に振って否定するけど、最初は確実に脅されてたよね。
「じゃあ付き合ってないのにそういうことする関係ってこと?」
「そういうことって……」
「……あの日みたいに」
「……あ、あの、日?」
質問攻めしてくる泉くんがなんだか怖くて。
それに、あの日って一体……。
「俺、見たよ。夏目と郁田が、動物園で……キス、してるの」
「……っ、」
嘘、でしょ。
キスって。
雨で雨宿りしている時に起こったあれを?
泉くんに見られていたの?!
どうしよう。なにか言わないと。
でも、なにを?
あの日、夏目くんにキスされたのは本当で。
けど、私と夏目くんの間に恋人関係という事実はない。
泉くんがあの日くれたメッセージの本当の意味も、夏休みが明けた私にぎこちなかった理由も、
やっと繋がった。
あのキスを、見られてしまったからだ。



