「ちょっとここで待ってて。すぐ戻ってくるから」
レストランから少し歩いて、夏目くんが立ち止まったのは、
テーマパークの人気キャラクターのグッズなんかが売っているショップの前。
夏目くんが一体何を考えているのかわからないけど。
今は夏目くんの言う通り、ここで待つことしか私にできることはなくて。
「うん、わかった」
私がそう言えば、夏目くんはすぐにショップの中へと入っていった。
ずっとドキドキしてる。
だって……。
自分の胸元に目を向けて『夏目』の文字を見る。
私、今夏目くんのジャージを着てるんだよね。
匂いも、大きさも。
私の心臓の高鳴りをさらに加速させる。
夏目 菜花……。
って!!
バカじゃないの私!!
チンパンジーだ。うわ今私めちゃくちゃチンパンジーだよ……。
理性よ、戻ってこい!!
そう思いながら、自分の頬をバシンッと叩く。
「郁田さん?」
っ?!
「あっ……」
「何してるの。顔なんか叩いて」
「いや、これは、その……」
夏目くん、本当にすぐ戻ってきたよ……。
挙動不審なところを見られてしまった。



