「あの、これは一体……」
口をパクパクさせながら、顔が火照りだす私におかまいなしに、
夏目くんは私に着せたばかりのジャージのチャックを全部閉めた。
「出るよ」
耳打ちでそう言った夏目くんが私の手をつかむから。
「えっ、なんで?!ていうかまだご飯の支払い……」
「俺と郁田さんの分は置いてきた」
「えっ?!」
まるで私に聞かれることを想定していたみたいにサラッと答える夏目くんに、それ以上声が出ない。
てか、それじゃ夏目くんにごちそうしてもらうことになるじゃん!
「だから早く行くよ」
「や、ちょっ……!」
周りからの目線も気になってしょうがなくて。今すぐここから抜け出したい気持ちもあるから。
私は、夏目くんに連れられてレストランを後にした。



