保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。


「ったく……」

小さくため息を吐きながらも、夏目くんに言われた通り、目線や身体を動かさないようにする。

キスマークなんてつけられても困るし。

「目つぶって」

私の隣に座った夏目くんがサラッとそういう。

「え?!」

思わずしりぞいて身体を動かしてしまった。

「大丈夫。嫌がることはしないから」

「……」

彼の言葉に従って、仕方なく目を瞑る。

仕方なくって……。そんなのはもう嘘。

心のどこかで、流されてもいいと思っている自分がいる。

恋をすると人間の思考はチンパンジー並みになるって聴いたことがある。

判断力が鈍るって。

あぁ、もう明らかにそれだ。

今の私はチンパンジー。

「俺に従順な郁田さんってかなりレア」

「うるさいよ、一体なんのマネ?」

目を瞑ったままそういえば「まあまあ」という夏目くんの声がしてすぐ、

首元にひんやりとした感触が伝わって。

突然のことで目をバチッと大きく開けた。