「早く行って来なよ!」
「でも……男子の階に行くのは禁止じゃん」
さらに詰め寄ってくる光莉にたじろいでしまう。
「おいおい菜花。キミはそれでも華の女子高生か!?先生たちが来てもうまくごまかすからさ!」
「っう、」
みんなに強引に背中を押されて、部屋の入り口まで歩かされる。
「でも……」
「でもとかないの!ほらさっさと行く!」
「あ、ちょ、」
「全力で応援してるからね!」
「「「頑張って!!」」」
──バタンッ。
嘘でしょ……。
追い出されてしまった。
いやいやいや。
夏目くんもバカなんじゃないの。
もしこんなのが先生たちにバレたら、怒られるの私なんだけど?
怒られる私を見て笑いたいのかな。
そんなことを思う気持ちとは裏腹に、心臓のバクバクは止まらないし。
この心臓の音だって、夏目くんが原因なのか、男子部屋に行くことへの緊張感が原因なのか、
今はもうわからない。
……行くしか、ないのか。
なんて。
本当は今日一日、夏目くんと話し足りなかったと思ってるのが本心なくせに。
それに気がつかないフリをして。
ホテルの階段を使って一つ上の男子部屋へと向かった。



