「うわーー!!すっごい綺麗ーー!!」
絶景だと評判の高台にみんなでやってきて景色を眺める。
さすが観光スポット。
街が一望できて本当に綺麗で、風がよく通って気持ちがいい。
長い階段を上った甲斐がある。
「ねぇー!お花がハートの形してるよ〜!!」
高台のすぐ隣にある庭園に光莉たちが夢中になって、パシャパシャとスマホで写真を撮りはじめる。
あんなに階段で「疲れた」って愚痴っていたのに、全然元気じゃないか。
「元気だなー」
「だな」
っ?!
光莉たちの背中を見ながらボソッと呟いたら、その声が聞こえていたらしく。
横から泉くんの声がして、驚きでとっさに顔をあげる。
「……郁田は行かないの?」
「あぁ、うん。私は少し休みながら。百合ちゃんたち部活生だから体力あるんだよね〜光莉も文句言いながらなんだかんだはしゃぐタイプだし」
「わかる。あいつは半分ゴリラだからな」
「ちょ、怒られるよ〜」
「郁田が黙ってれば大丈夫だろ」
「えっ……まぁ、」