『郁田さんが寄り添ってくれた』

『俺決めたから、郁田さんのこと離さないって』

『もう意地悪しないから、覚悟しててね。菜花ちゃん』

かけられた言葉の数々を思い出して顔が熱を持つ。

いつもの私ならこんなこと絶対口に出したりしないのに。

修学旅行という特別な日、特別な空間が、そうさせるのかも知れない。

「……前はなんともなかったのに、最近おかしいんだ。夏目くんのことまともに見れなくて……どうしたらいいのかなって」

恥ずかしさで俯きながらそういう。
実際に口に出すと余計恥ずかしい。

「そんなの!!もう気持ち伝えたらいいじゃん!!ふたり絶対両想いなのにっ!!」

「菜花、好きなんでしょ?夏目くんのこと」

「……っ、う、」

『好き』
だなんて。自分でもびっくりだ。

「菜花?」

光莉に顔を覗き込まれ。

「……っ、す、好き、なの、かな……」

「わ〜菜花が素直〜〜!!可愛い〜!!」

「ちょ、結花ちゃんやめてよ……」

冷やかされてさらに顔が火照る。

変な汗まで出てくるし。
もう一回お風呂に入りたい。