「光莉!」
「ごめんごめん。まさかまだここでメモ取ってたとは……」
「真面目か」なんてツッコんできたけど、光莉が不真面目すぎるだけだと思うよ……。
「あれ、夏目くん。もしかしてふたり一緒に回ってた感じ?え、じゃあ私お邪魔じゃ……」
「なに言ってんのなわけないでしょ!たまたま会っただけで」
「ふーーん」
なんかあるんじゃないか、みたいな目でこちらを見てくる光莉に呆れる。
「もう……早く行くよ。夏目くんさっきはありがとう。もう大丈夫だから」
「うん。……あ、まって郁田さん」
「えっ……」
突然、グイッと手を引っ張られて、夏目くんとの距離が一気にゼロに近づいた。
な、こんな人前でっっ!!
あまりの至近距離に条件反射でとっさに目を閉じると、耳元に温かな吐息がかかって。
「……もう俺以外の男に触られちゃダメだよ」
「っ?!」
夏目くんは、私の耳元でそう吐いてから身体を離すとニコッと笑って。
「西東さん見つかってよかったね」
なんて得意の爽やかスマイルで言ってから、手を振って行ってしまった。



