「だって菜花、明らかに変わったもん。夏休み、何かあったよね?」
「それ私も思ってた。なんか雰囲気が柔らかくなってると言うか」
百合ちゃんまでもそんなことを言うんだから。
何かあったのかと言われたら、それはひとつしかないわけで。
「まぁ、私は夏目くんと菜花を推していたけどさー。私たちの知らない間に菜花が素敵な人と出会っているならそれはそれで応援したいし?」
「いや、推しって……」
光莉の口から彼の名前が出てきて内心ビクッとする。
「てかほんと意外だよねー夏目くん。デートなんてあんなサラッと言っちゃうタイプだとは」
「そうそう。てっきり夏目くん、菜花のことが好きだと思ってたからさー」
「……っ、」
『郁田さんのこと離さない』
みんなの言葉によってまた夏目くんのあのセリフを思い出して、
慌ててかき消そうと横に首を振る。



