保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。


「俺のこと好きじゃないくせに優しくする」

「……別に、優しくしてるつもりなんかないよ。見ててはがゆいだけだし。夏目くんが弱気だから仕方なく」

「『仕方なく』やってくれるのが優しいんじゃん?」

そう言って私の頬に手を伸ばした夏目くんとバチッと視線が合う。

「な、なに」

静かに呟いた夏目くんの親指の腹がわずかに私の唇に触れた。

完全に彼の目が私の唇に向けられてるのがわかってすぐに身体を離す。

「……郁田さん、今日」

「る、瑠々ちゃん待ってるんでしょ!早く行くよ──っ」

ガシッ

背を向けて歩き出そうとしたら、手首を掴まれて止められた。

やっぱりメイクなんてしてくるんじゃなかった……。

「こっち向いてよ」

「やだ」

髪の毛で顔を隠すように背ける。

「なんで」

「時間がないから」

「まだ大丈夫だよ。郁田さんが早めについてくれたから余裕」

しつこいったらありゃしない。
ほんと失敗した。

「……離して」

「だったら早くこっち向いて?」

今になって、恥ずかしさで嫌になる。