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「あ、郁田さん!こっち」
夏目くん宅から一番近い駅に降りて、改札口を出ると、こちらに手を振る彼の姿が見えた。
え。
なんで。
わざわざ迎えに来てんの。
てか。
安定して目立っておる。
近づきにくいんだが。
今回はひとりでそっちに行けると、メッセージで伝えたのに。
「なんで迎えに来てるの……」
「なんでって心配だから」
「……っ、」
サラッと『心配』って。
ドキっとしてしまったのは絶対気のせい。
「女の子、一人で歩かせるの良くないでしょ。よく知らない道なら特に」
「……いや、別に。道なら覚えてるし。まだそんなに暗くないし」
「バカだな〜郁田さん。明るさとか関係なく襲うやつだっていんの〜ナンパとかされても嫌じゃん」
バカって……心外な。
ナンパだってされたことないし。
「されたことないし大丈夫だよ。それに嫌では──」
「……は?郁田さんが嫌じゃなくても俺が──」
「??」
夏目くんが何かを言いかけてやめた。
「はい、とにかく早く行くよ〜瑠々が待ってる」
「あ、うん」
なに、今の──。
夏目くん、やっぱり、前からちょっと様子おかしいよね。
って、なんかこれ、さっき私がママに言われたこととちょっと似てる気が──。



